2月の能書き
天醐の二月
こよみの大寒を過ぎた頃からの厳しい寒さを身に滲みて感じながら、日差しの暖かくなる春を待ち遠しく感じる今どき、春の食材や温かい料理が恋しくなります。そんな春の萌え色を楽しんで頂きたく今月もお献立を。
向附
旬のカリフラワーと貝柱をムース仕立てに。少量のお出汁と調味料でミキサーにかけ、
まとめる程度のゼラチンで固めます。出来るだけ 水分を抑えて素材の旨みを
引立てます。若竹に追鰹をして炊いたものとアスパラを添えて 、お出汁にビーツの
ピューレを混ぜたソースを彩りに。またカリフラワーの持つ成分ビタミンCは加熱に強く、
抗酸化作用も期待できそうです。
椀盛
白魚をしんじょうに。柔らかな味の白魚とこれからが旬の蛤の
相性は格別。添え物にはちょっとした苦みが美味しい
菜の花と吸い口には、走りの木の芽。
造り
今月のお刺身は生のキハダ鮪。もっちりした食感がサラダ仕立ての
定番です。刻んだ野菜達と一緒に召し上がって頂くのは
天醐オリジナルの玉葱ドレッシング。
八寸
毎月の試行錯誤。正直悩みます。八寸の本来の意味は茶懐石の器。
杉木地の八寸角(24㎝)の器から来ています。海の物・山の物
或いは 動物性・植物性と言った具合です。
茶事の席で亭主がお客様とお酒を交える料理でもあります。
季節の珍味や野菜、魚貝などで味の濃い物薄い物、辛い物甘い物
と何でもありの料理なのですが、味の強弱のバランスや見た目の
景色などを取る為にひときわ料理人が神経を使う料理かも 知れませんね。
強肴
煮物と揚物を合わせた料理。白菜と豚挽肉を重ねて蒸したものと
今市カブの炊いたもの。そして海老とホワイトソースを餃子の皮で
包んで揚げたものにほうれん草のソース。このソースには一工夫して
お餅でとろみが付けてありますお餅をお出汁で焚いて
ミキサーにかけた ほうれん草と合わせてソースとし、
付け合わせに揚げたての海老煎。とろみのソースと揚げたて
パリパリが高相性!
御飯
三つ葉とセリの入ったお粥風雑炊に葛餡を掛けて山葵を添えます。
少しでも先取りの春を感じて頂けたら幸いです。
※夜懐石の一品を御紹介
◎和牛ホホ肉の煮込み季節野菜添え西京味噌と柚子の香
すっぽん料理と同じく酒と水の同量で柔らかくなるまで
煮込み葱と生姜の香りを添えます。とろとろのほほ肉には
コラーゲンたっぷりで舌触りも絶妙!
お昼会席でも御予約にて用意いたします。
野菜ソムリエ オーナーシェフ 大澤 淳