9月の能書き

2013-09-10

天醐の九月

   猛暑の続いたこの夏も落ち着きを取り戻し朝晩の涼しさが身体をホッ!っと

   させてくれる今日この頃。でも、暑さによるダメージは身体は勿論の事、

   精神的にもストレスを残します。天醐のお料理は医食同源。バランスの良い

   栄養素を取り入れる事を基本に考えます。ご家庭の普段の献立においても、

   参考にして頂けると幸いです。では、今月のお料理の紹介です。

向附 これからが美味しくなる南瓜。収穫後しばらく追熟して甘みの増した物を

   選び加熱・裏漉しお出汁と合わせます。しめじはほぐしてサラダ油で軽く

   炒め苦みを抑え、これもお出汁と。それぞれゼラチンを溶かして二層に寄せます。
   少量の生クリームで味を調えたこの一品、

   自然な味の秋のお料理。

椀盛 高タンパクの白身魚のすり身に玉子と山芋を加え蒸し上げ食用菊を散らし

   た菊花しんじょ。脇役的存在ですが失われつつある季節感や潤いを与えて

   くれます。この食用菊、意外とビタミンB群の豊富な食品。

造り 先月に引き続き、刺身はサーモン。ノルウェー産の高品質はサラダに打って

   つけです。サウザンドレッシングには玉ねぎ・椎茸・牛蒡などもたっぷり。

   温度玉子と共に季節野菜を一緒に召し上がって頂くためにスプーンを付け

   ます。玉子を潰しながら食べると優しいお味の刺身サラダの出来上がりです。

八寸 あれやこれやの八寸。和え物・煮物・揚物・蒸物・・と色々と盛り付けしま

   す。少々お時間を頂く場合も御座います。毎月、苦心するこの八寸。当店で

   のコース料理一番の盛り上がりなので手抜きが出来ません。天醐のイメージ  

   を凝縮した逸品とも言えます。栄養的なバランスは勿論、色彩・風景もこの

   一皿に。ご質問があればお気軽にスタッフに申し付けください。

 煮物 名残りのトウモロコシと西京味噌の組み合わせ。お出汁と豆乳で伸ばして

    薄口醤油と味醂で調味。お鍋の中身は全て軽く火を通してあります。サッ

    と焼いたバケットを添えます。温まったスープに浸しながら食べてください。

    トウモロコシは食物繊維も多く、西京味噌も豆乳も材料は大豆。きのこ類と

    一緒に食べれば・・・まさに食物繊維鍋!です。

 御飯 今月は薄葛仕立てのお茶漬け。葱ときのこと葛の組み合わせは身体を芯から

    温めます。ご家庭でもお吸い物として生姜を絞ればいっそう効果的です。

 水物 白肉系メロンのコンポート、果物に控えめな甘味のくちなしゼリーを掛け、

    ホイップをトッピング。ゼリーの香り付けには少量の梅酒と杏露酒。

野菜達を美味しく食べて健康を意識して頂く為に毎月のお献立を考えます。毎日の食生活の中で少しだけでも活用していただ

けたら・幸いです。

野菜ソムリエ オーナーシェフ   大澤 淳