10月の能書き
天醐の十月
記録的な猛暑と残暑に見舞われた今年の夏もゆっくりと秋の気配を感じる最近。
ですが、この季節の変わり目は猛暑で疲れた体に追い打ちを掛けるように昼夜
の温度差が大きくなり身体に大変な負担となります。体調を崩さない為にも日頃の
食事が大切な要素となり、冷え込んでくるこれからの季節に備えての食事を天醐の
料理が少しでもお客様にお役に立ち、お手伝い出来れば幸いと存じます。
今月のお献立は、秋のイメージは勿論ですが「身体に優しい食事」がテーマです。
身体を温める野菜と乾燥肌対策、そして調理法を野菜ソムリエが御案内致します。
一般的に根菜類は身体を温めると言われます。大根・人参・牛蒡・芋類・生姜等
これからの季節の食卓には欠かせない食材。唐辛子や生姜は勿論、臭いの強い
ユリ科ネギ属のニラ・ニンニク・ラッキョウ、ネギは代表格。逆に身体を冷やす
野菜としては、夏に旬を迎えるトマト・茄子・胡瓜等々ですが、オリーブオイル
にニンニクや唐辛子を少量加えて加熱調理をする事で野菜の有効成分を充分に
引き出し重要な役割を持ちます。冷やす野菜と言われる葉菜のレタス類やセロリ
トマト等もサラダとして食べる場合はドレッシングに卸し生姜や山葵を加えると
身体を温める役割が。つまりは、食はバランス良く摂る事と食材に合った加熱を
する事で「身体に優しい食事」が頂けます。難しく考えない事がコツかも・・。
野菜に含まれるビタミンCやEは冷え症に効果があると言われビタミンEには
血行を良くし体内のホルモン分泌を調節する働きがあります。じゃが芋の豊富な
ビタミンCと南瓜のビタミンEは外せません。ビタミンCには血液の主要な材料
となる鉄分の吸収を促進、毛細血管の機能を保持する働きがあります。
冬野菜に限らずCやEを含む果物・穀物・豆類なども身体を温める食材です。
また、青背の魚であるマグロ・サンマやイワシに多く含まれるEPAやDHAは
血液をサラサラにする効果があり血液の流れが良くなり・・
つまりは血流・血行が良くなる事によって冷え症や乾燥肌の改善に
役立つと言えるでしょう。 そして水分の補給も大切。
お茶とかコーヒーとは別に水分を摂る事をお勧めします。お白湯か湯ざまし等で
一日数回に分けて。又、サプリメントやお薬を飲む時に少し多めに摂りましょう。
野菜ソムリエ オーナーシェフ 大澤 淳