12月の能書き

2012-12-06

    天醐の十二月

今月のお献立のテーマは「美肌と健康」です。これからもっと厳しくなる

冬の寒さと乾燥でお肌の潤いが失われがちになりそう。外側からの

保湿に頼るだけでなく食事による内側からの保湿も大切です。

まずは健康的な食事。プラス、食事による乾燥肌の予防を

野菜ソムリエが提案します。

 お肌を乾燥から守る栄養素としては、セラミド、ビタミンA、脂質、等が

効果に期待が出来るでしょう。また新陳代謝を高める唐辛子や生姜も

お料理に取り入れて美味しく内側からの保湿に役立ちそうです。

向附 セラミドを多く含むヨーグルトを、酸味を抑えた形でゼリー寄せ

として蕪や林檎その他の食材を黄身酢で味を調え、デザートの

ように仕立てました。柔らかな酸味が食欲をそそり、消化吸収、

また整腸にも良い効果があります。

椀盛 蟹の身をほぐしてしんじょう地に混ぜ込み蒸し上げます。しんじょう地

は元々、白身魚のすり身。魚のタンパク質の中にはコラーゲンの元となる

アミノ酸等を少なからず含みます。丸ごと一尾を煮魚にした時に出来る

煮凍りはゼラチン質が固まった物として知られます。コラーゲンに近い物と

考えると解り易いでしょう。

この白身魚のすり身を出汁や酒、つくね芋等でのばして玉子の素と

呼ばれる脂質を混ぜ込みまろやかさを出します。

吸い地のお出汁にはたっぷりの昆布と鰹を使用し、葛粉でとろみを

つけて、蒸して裏ごしした蕪をみぞれに見たてます。

造り 季節の刺身で刻み野菜と一緒に召し上がって頂くサラダです。

刺身の付け合わせには大根のツマや山葵が付きます。

それぞれ毒消しや消化の意味合いがあるのですが、

天醐ではツマも一緒に美味しく召し上がって頂く為にサラダにします。

八寸 懐石でも会席でも本来の八寸の意味合いはお酒のあてです。

当会席の八寸はコース料理の一つの盛り上りとして季節を彩り

風情を感じながらお酒を酌み交わす目に楽しく舌に美味しい料理です。

勿論、この中でもビタミンAやセラミドを意識した内容です。

緑黄色野菜、チーズ、卵等は身体に優しく食べやすい食材。

煮物 玉葱と豚肉の組み合わせは疲労回復や血液サラサラ効果が

期待出来、温かい鍋として食べる事で血流が良くなり隠し味の

生姜により様々な相乗効果が・・・。

いずれにしても、健康を意識したバランスの良い食事がお肌の健康をも守ります。

    

            

野菜ソムリエ オーナーシェフ   大澤 淳