11月の能書き

2011-11-10

     天醐の十一月

         今月の向附はちょっと洋風な一皿。

  

     洋皿に季節の野菜と魚を彩りよく盛り、秋のイメージを          

     少しでも感じて頂けたら・・と。

     白和えは豆腐を水切りし裏漉しの後、ゴマクリームと合わせて

     醤油と酒、味醂で調味。柿と林檎をサイコロに切って合わせます。

     彩りにクコの実が冴えます。

     もって菊(もってのほかと言う意味)の紫色を混ぜ込んでゼリーで    

     寄せた 長芋とつくね芋の寄物。

     南瓜と薩摩芋を蒸してそれぞれミキサーにかけて二層のゼリー。

     いずれも秋の素材の定番。見た目は洋風ですが、全て鰹出汁と

     和の調味料での味付け。まぎれもなく日本料理。

 

      天醐では、そんな遊び心のあるお料理をお客様に

     楽しんで頂きたく毎月のお献立を立てます。季節ごとの素材や

     器の移り変わりも日本料理の楽しみの一つですね。

 お椀盛   お椀盛にはみぞれ仕立てのしんじょう椀。

     葛粉でとろみを付けて冷めにくく体も温まる一品。

     あしらいには強火で炙ったシメジを一かけと柚子が香ります。

 

 お造り       お造りには、名残りの鰹。

     焼き目を入れて香ばしく、そしてタマネギドレッシングと針葱の

     香味野菜との相性は抜群です。定番のサラダ仕立てですが、野菜の     

     数はなんと 十一種類 大根、人参、赤玉葱、桃蕪、水菜、玉葱、

     ラディシュ、白葱(牛蒡、椎茸) 紫蘇の葉。

     少量ずつですが動物性と一緒に摂取すると効率的です。

 

 八寸   八寸には 里芋、蓮根、南瓜、干し柿など今、

        これからが旬になる野菜も色々。

    本来の八寸の意味は 八寸(24センチ)角の杉木地盆に海の物・

    山の物 あるいは植物性・動物性の料理を盛ったお酒のあてと

    いったものです。

    お酒は飲まずとも季節感が第一の八寸。

    味わって頂きながら次のお料理に期待します。

 

 焼物    肌寒くなるこの頃ではやっぱり熱々が一番。

    和牛の生姜煮と季節の根菜を一緒にスフレ皿に入れパイ生地で

        蓋をしてオーブンで焼き上げます。

 

 御飯    うずみ豆腐。柔らか御飯と豆腐の白味噌仕立ての汁かけ飯。

    寒くなるこれからの時期には体に滲みる変わり種御飯です。

 

 水物    さっぱりとしたぜんざいをゼリー仕立てにし、

     バニラビーンズの効いたアイスと林檎のコンポート

、     バナナをトッピングに。香りはミント。

            

             野菜ソムリエ オーナーシェフ   大澤 淳